Guard for everybody

200○年。東京某所パーティー会場。

大分この仕事も板についてきた。
ただこの仕事につまらなさを感じている。今回も駄目なようだ。
ただ見回るだけの地味な仕事だ。楽ではあるのだが。
まだ1週間程度だが、事件もないし、これからも起こるとは思えない。
今日も何事もなく疲れて帰るだろう。
「おい、何かパーティー会場のほうが騒がしくないか?」
気がつけば警備員暦の長いベテランの先輩が話しかけてきていた。
「ん?そうですか?それじゃあ少し見て来ます。」
どうせ他愛もない喧嘩なのだ。
どうしてこう金持ちは喧嘩ばかりなのか、そう思う。
ちょっとしたことで喧嘩を起こし、俺を疲れさせてくれる。
給料とは別に、チップでももらいたい気分だ。
どうせ金は有り余ってるんだろう。少しぐらい警備員に向けて欲しいものだ。
ドアを開けて入る俺に、向けられたのは札束ではなかった。
「動くな!」
向けられたのは、銃口。
おいおい、日本に銃なんてあったか?
そいつは30台後半あたり、細くてたよりなさそうな男だった。
ドアを開けたまま固まる俺を見て、異変を感じ取ったベテラン先輩が勢い良く駆けてくる。
ドアを勢い良く開け、撃たれた。
その場に倒れこむ。俺は見ているだけだ。
犯人は銃が本物だということを思い知らせたからか、少しにやついた。
「おい、そこのお前もこっちに来い」
犯人は人質を中央に集めた。
そこには同じ警備員仲間もいた。
「おい、このパーティーのゲストの飛鳥正造はどこだ」
「あの…それが…今日は遅れているようでしてまだ…」
びくびくしながら20代あたりの女が答える。
「くそっ…」
どうやら相当な恨みがあるらしい。
その飛鳥なんとかが黙って撃たれてくれれば、俺達に被害はないのかも知れない。
しかしそんな考えを裏切るように、メガホンの声が聞こえる。
「犯人に告ぐ!もうここは包囲されている。おとなしく自首しろ!」
「くそっ!誰が通報しやがった!お前か!」
「ち、違います!」
「もう誰でもいい。道連れにしてやるよっ!」
今にも銃を人質に向けようとした時、何か物音がした。
「おう、お前ら警備員か。人のために命を投げ出すとは、けなげなことだなあ。」
馬鹿か?今この場で警備員も糞もない。
全員等しく人質だ。何で人質のために人質が犠牲にならなきゃいけないんだ。
更には赤の他人の犠牲に。
俺の後ろで立ち上がった仲間に、俺は呆れた。
「何か言い残すことはないのか?」
愉快そうに犯人は言う。
「俺は別に死にたくないわけじゃない。むしろ死にたい。だから早く撃ってくれ」
おいおい、自殺志願者か?更に俺は呆れるのみだ。
「俺は人のために死にたい。だから…」
おいおい、今度は根っからの善人か。
「つまらない人生だったし、こんな派手な死に方ならいいかなって思うんだ」
最後は人生ゲーム感覚野郎か…。
警備員ってこんなのばっかりなのか?
犯人も少しひきながら
「お望み通り、殺してやるよ」
引き金を引く。人の倒れる音が3度響く。悲鳴と共に。
「次は誰かな」
その時、俺の中の何かと何かがつながった。
俺は、いつの間にか立っていた。
「お前もさっきの警備員と同じか。ご苦労さん」
銃声が重く響き。人の倒れる音。
自分が倒れてるとは思えない程、小さい音だった。


警備員殉職。惨劇に立ち向かった勇者達!
新聞で強調されたタイトル。
パーティー会場事件の死者は警備員4人。
銃声を聞き強行突破を試みた警察に犯人は見事逮捕された、との内容。
我ながらくだらないことで命を捨てちまったな。ま、それもいいか。


ハワイに行く前に少しだけ(´・ω・`)。
もうぐだぐだですね。出来は最悪。意味がわからない。
あんまり練らないで作ったものなので勘弁を…。
ああ…。
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by kozoku1 | 2006-06-25 00:22 | 小説  

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